台湾映画『大いなる餓え』 日本初上映はチケット完売! 親に言えない秘密を抱える少年も登場

台湾映画『大いなる餓え』
 
3月8日(日)にシネ・リーブル梅田で台湾映画『大いなる餓え/Heavy Craving/大餓』の日本初上映が行われました。「第15回大阪アジアン映画祭」のコンペティション部門と特集企画《台湾:電影ルネッサンス2020》の入選作品です。すでに台湾内外の国際映画祭で高い評価を得ている話題作で、なんとチケットは完売!映画ファンの注目度の高さがうかがえる上映となりました。
 

 
『大いなる餓え』は、米国コロンビア大学で映画制作を学んだシエ・ペイルー監督の長編デビュー作。過激なダイエットプログラムにのめり込んでいく体重105キロの女性が主人公で、保育園を経営するスリムで美しい母親との関係や、宅急便のイケメン配達人との淡い恋、そして、親に言えない秘密を抱える男子園児との交友を描いたヒューマン・コメディです。
http://www.oaff.jp/2020/ja/program/t03.html
  

 


オリジナルポスター(ダイエット中の主人公が見つめる先に注目!)
 
大阪アジアン映画祭では毎年ボランティアチームが上映作品2本の日本語字幕を制作しています。今年の1本は本作。「せりふ1秒につき4字まで」という厳しい字数制限のもと、大阪大学外国語学部中国語字幕翻訳チームのメンバー9人が協力して取り組んだそうです。その日本語字幕を監訳した大阪大学外国語学部の古川裕教授に本作の魅力についてコメントをいただきました。
 


日本語字幕を監訳した大阪大学の古川裕教授

 美を追求する気持ちは世の東西を問わず、巷間には様々なダイエットを謳う広告が溢れています。この台湾映画もダイエット・ジムの広告シーンからスタートし、私たち日本の観客も違和感なくこの映画の世界に入り込めるはずです。

 この映画では、主人公の姜映娟(チアン・インジュエン)が体重減量を決心してから揺れ動く気持ちを丁寧に描いています。そして、彼女が淡い恋心を抱く宅配便配達の青年、大きな秘密を小さな心の中に隠している優等生の少年、娘に自分の理想を圧しつける母親など、私たちの身の回りのどこにでもいそうな人々が登場します。

 昨年の台北映画祭で観客賞を得た『大餓』(邦題:大いなる餓え)は、人間が本来持っている美とは何か、本当の自分とは何なのかを考えなおすきっかけを与えてくれる佳作です。

 


昨年の《TAIWAN NIGHT(台湾ナイト)》の様子
 
『大いなる餓え』の次回の上映は3月12日(木)18時30分から。毎年人気のイベント《TAIWAN NIGHT(台湾ナイト)》で上映されます。場所はJR福島駅近くにあるABCホール。「第15回大阪アジアン映画祭」での最終上映となります。
 
《TAIWAN NIGHT》では、毎回その年の入選作の中でも特に話題の作品が上映されます。昨年の上映作は、台湾だけでなく、中国やシンガポール、マレーシアでも大ヒットを記録したラブストーリー『悲しみより、もっと悲しい物語』。チケットは即完売だったそうです。この作品は4月3日(金)から日本全国で順次公開されます。
 


シエ・ペイルー監督の短編映画『雄鶏ものがたり』
 
実は、本作のシエ・ペイルー監督は「第15回大阪アジアン映画祭」で2作品が入選する快挙を果たしています。もう1本は短編映画『雄鶏ものがたり/A Cockerel’s Tale/雄雞卡克』で、主人公はなんと雄鶏! 『大いなる餓え』で主人公を演じたツァイ・ジャーインも特別出演しているそうです。上映は3月11日(水)と13日(金)、会場はどちらもシネ・リーブル梅田です。よかったら、こちらもご覧くださいね。
http://www.oaff.jp/2020/ja/program/t01.html
 
 
なお、今年の大阪アジアン映画祭は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、全ての舞台挨拶とサイン会を中止し、一部のイベントや共催企画も中止・変更して規模縮小をはかった上で開催されます。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
 
詳細情報
■開催日程
3月15 日(日)まで
 
■会場
梅⽥ブルク7、ABCホール 、シネ・リーブル梅⽥、ほか
 
■料金
前売券1,300円、当日券1,500円。当日券は前売券が完売していない上映回のみ販売。当日券には22歳までの方が500円で購入できる「青春22切符」もあります。
http://www.oaff.jp/2020/ja/ticket/index.html
 
■公式サイト
http://www.oaff.jp/2020/ja/index.html
 
 
(取材・文:Zac Oda)